

二本足で立ち上がるのが上手だった三太さん。
立ち上がると身長は130cm近く、
そのまま歩く姿はどう見ても着ぐるみでした。
ちなみに、
まだスタンダードプードルがあまり知られていない時代だったので、
散歩するだけでも道行く人をぎょっとさせていたのでした。
とある夏の昼下がり。
涼しいリビングで横になっていたデイジーさんの横で、
中2のお兄ちゃんが寝そべりながらマンガを読んでいました。
マンガを読み終わったお兄ちゃんはしばらくぼーっとした後、
ふと、デイジーさんを見つめ、
「このブチ、何個あるんだろう」と気になり出しました。
「1、2、3、4、5、6」と数え始め、
「83」のところで「お昼よ~」と呼ばれ、
ハッとふり向いたら、
もうどのブチまで数えたかわからなくなりました。