あの頃の想い出29

本編中でも話題に出ていた、

お母さんとのお花見散歩。

いつもと違うコースを長く歩ける上、

お母さんが毎回とても楽しそうだったので、

レイさんも大好きなお散歩でした。

そしてその桜並木は、

川沿いにあったのです。

レイさんが初めてその桜並木を歩いたのは、

1歳半を少し過ぎた頃。

まだ肌寒い気温だったその日、

その川が視界に入った瞬間、

昨夏、湖に連れて行ってもらった記憶が

稲妻のようによみがえったのです。

「きれいねえ」

とのんびり桜を眺めていたお母さんは、

突然、肩が外れるのではないかという勢いで

リードをグィィッと引っ張られました。

レイさんは川に向かって一直線。

お母さんは必死の形相で両手でリードをつかみ、

綱引きのように腰を落としてふんばって、

すんでのところでレイさんを止めました。

お母さんはその年、

レイさんとその桜並木を歩くのをあきらめ、

1年をかけてリードを引っ張らないトレーニングをし、

翌年の春から、

できるだけ川から離れた場所を

歩くようにしたということです。

レイさんが登場する52話はこちらこちら

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