
本編中でも話題に出ていた、
お母さんとのお花見散歩。
いつもと違うコースを長く歩ける上、
お母さんが毎回とても楽しそうだったので、
レイさんも大好きなお散歩でした。
そしてその桜並木は、
川沿いにあったのです。
レイさんが初めてその桜並木を歩いたのは、
1歳半を少し過ぎた頃。
まだ肌寒い気温だったその日、
その川が視界に入った瞬間、
昨夏、湖に連れて行ってもらった記憶が
稲妻のようによみがえったのです。
「きれいねえ」
とのんびり桜を眺めていたお母さんは、
突然、肩が外れるのではないかという勢いで
リードをグィィッと引っ張られました。
レイさんは川に向かって一直線。
お母さんは必死の形相で両手でリードをつかみ、
綱引きのように腰を落としてふんばって、
すんでのところでレイさんを止めました。
お母さんはその年、
レイさんとその桜並木を歩くのをあきらめ、
1年をかけてリードを引っ張らないトレーニングをし、
翌年の春から、
できるだけ川から離れた場所を
歩くようにしたということです。


